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陶 翫粋(がんすい)

GANSUI... Gallery of contemporary ceramic art

2016. October

常設展示Ⅰ

高麗茶盌 

高価で希少な唐物に対して利休が目をつけた高麗の焼き物は
侘び茶にも通じる素朴で上質な味わいを漂わせています。

入荷したばかりの新作から高麗の香りをもった十盌を選んで
展示してみました。

まず、若手作家から5点。


 

呉器茶盌 ( 竹花正弘)
丸みのある盌にやや高さのある撥(ばち)高台。
御器とも呼ばれる。呉器の名前は、形が椀形で禅院で用いる飲食用の木椀の御器から由来している。
小ぶりながら、見込みにはゆったりとした広さを感じる。うっすらと出た品の良い御本も好ましい。竹花さんの持ち味を活かす薄く引いたロクロが上手(じょうて)の盌によく合っている。静かな形に薪窯焼成の変化に富んだ釉調が生き生きとした表情を与えている、

刷毛目茶盌 ( 矢野直人 )
山瀬の土に刷毛で白化粧を施した茶盌。やや浅め。口元をぐるりと巻いた丁寧な刷毛目に矢野さんの仕事らしさを感じる。見込みの透明釉の溶け味は様々な表情を出し、使い込むうちに味わい深いものとなると思われる。高台には細かな砂目が素朴な味わいを見せる。
伊羅保茶盌 ( 矢野直人 )
黄色味を帯びた盌なりの伊羅保茶盌。山瀬の土を用いており、高台の内側に縮緬が見られる。やや明るめの釉調に鉄と降り積もった灰が変化をつけている。盌の下方がやや厚めでで、手に取ると本歌の高麗茶盌にもみられる重量感がかすかに漂う。バランスの良い一碗。
無地刷毛目茶盌( 竹花正弘 )
白化粧が施してあることから日本のお茶人によって刷毛目茶盌に分類され、刷毛目が見えないことから無地刷毛目と呼ばれた茶盌。16世紀初頭の朝鮮の茶盌が本歌。
堅手などと同様、高麗茶碗のなかでは下手(げて)なもので、大ぶりの高台を持つが、竹花さんの技量で最低限の品格を与えている。還元気味で焼成されたのであろう、釉調が青みを帯び、緊張感を湛える。
 

会寧茶盌 ( 西林 学 )
本歌は大ぶりの盌を見立てたものが多いが、そのたっぷりとした雰囲気をもたせつつ、茶盌として使いやすくアレンジされている。

 


伊部 伊羅保茶盌( 金重有邦)
備前の山土に、自らの登り窯の灰を釉薬に。備前の作家が高麗に思いを寄せて作った伊羅保である。施釉も、盌を浸すのではなく手で塗った不均一な様子が面白く、高台周りには掛け残しに赤い土が見える。

伊部 唐津茶盌( 金重有邦 )
唐津の牛石という所の土で作られた茶盌。土味は表情豊かで削り味がよく、高台の畳付け(畳に直に触れるところ)が絶妙。薄めの長石釉がかけられている。
唐津の本来の形ではないかもしれないが素直に盌なりをひいた心地よい茶盌。

伊賀 井戸手茶盌 ( 谷本 貴 )
韓国のカオリン原土で作られた井戸茶盌。竹べらを突きさし切り離して作った高台は見所。釉調は明るい淡黄色で、井戸としては古萩のような色合い。軽快な轆轤目に粗い石爆(いしはぜ)が点在し、ざっくりした高台が整いすぎない雑器のような雰囲気を醸す。揺らぎのない口元が存在感を漂わせ、井戸茶碗の原点のような風格がある。

萩荒土井戸手茶盌 ( 吉野桃李 )
端正な轆轤を索く吉野さんでも、これほどザクザクとした荒土(あらど)に向かえば土に沿わざるを得ず、どこか柔らかな轆轤になった。やや赤みの強い土に透明感の強い柞灰を釉薬としてかけている。高台のかんなも心地よい。焼成後、紅殻(鉄)、茶、酒を混ぜたもので『目止(メドメ)』を施してあるので、優しい貫入の色合いが楽しめる。

唐津 井戸手茶盌( 川上清美 )
薄いピンクを帯びた肌の色合いが優しい。
昔、若い時に作られた井戸茶盌を見た時、轆轤目のたったその茶盌はあまりにも自己主張が強いように思われた。二十数年たってこの井戸茶盌に出会った。意外なほど静かなのだけれど、この重厚さは川上清美さんらしいと思った。釉薬には風化長石が用いられているのだろう、しっとりとした肌合いになっている。唐津らしい長石釉の選択だと思われた。
 もともと見立てとして用いられた高麗の陶器は、侘び茶の理念にふさわしい素朴で味わい深い器でした。お茶人の間で茶盌として高い評価を得て、次第に日本向けの茶盌として様々な意匠をもった茶盌が作られるようになっていきました。
 今回ここでは、 さりげなく毎日使って飽きのこないもの、一法の考えるところの「良い茶盌」を紹介させて戴きました。

 

 

過去の企画展 開催予定 企画展

陶 翫粋(がんすい)  開廊 12:00 - 19:00

定休日:火・水・木
602-0074
京都市上京区堀川寺之内上ル下天神町653
エクセル堀川1F

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