2 Ceramic Art Gallery GANSUI in Kyoto

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陶 翫粋(がんすい)

GANSUI... Gallery of contemporary ceramic art

 

袖合月(そであいづき: 7月)企画

灰被天目と珠光青磁

西林 学

十盌十盃 plus one

 

2018.07.27(金) - 2018.08.05(日)

 


Tori Yoshino tea bowl

 

灰被天目と珠光青磁

灰被天目(はいかつぎてんもく)は、あまり耳慣れない言葉かもしれません。
種々ある天目の一つとして使われてきた言葉で「もの有りき」で通ってきた言葉だと思うのですが、人によって考え方は違うようです。
個人的に、文化庁の運営する「文化遺産オンライン」で紹介されている灰被天目の定義はちょっと違うかなと思っているので、翫粋なりの理解の上で作品を紹介してみたいと思います。

翫粋が思うところの灰被天目は、建窯(けんよう:宋・元代に中国福建省南平市の建陽にあった窯)以外で焼かれたもので、建窯の油滴天目や禾目天目など上手(じょうて)なものに使われた純度の高い鉄釉の代わりに、使われた(多少不純物を含んだ?)釉薬が溶け易いように灰、灰釉などをかけて焼成したものだと思っています。 MOA美術館の解説を下記に引用致します。

MOA美術館の解説
灰被天目の形態は建盞(けんさん)(宋時代に福建省建窯で焼かれた天目形茶碗)に似ているが、高台際の切り回しの段や、浅く丸く削り出された高台は、建盞に見られない灰被天目の特色である。灰被とは、灰をかぶったような釉の趣きからつけられた呼称

また、珠光青磁(じゅこうせいじ)は村田珠光が好んだと言われるもので、やや下手(げて)ながら味わいのある茶盌で、南宋(12世紀から13世紀)にかけて 浙江省から福建省あたり、江南地方で作られた粗製の青磁茶盌を言います。厚い底部から内湾気味に立ち上がり、 体部上半で緩く内側に屈曲し口縁部をやや外反させて収める。これは「すっぽん口」と通 称される天目碗を平碗にした形。外面にはヘラの片刃切りあるいは歯の幅の広い櫛 状の工具で放射文を表現し、色調は暗緑黄褐色という茶色がかったもの。

 

これらの茶碗は、唐物一辺倒だった風潮から、新しい価値観を求めた流れの一歩でした。砧手の龍泉窯青磁碗や建窯産の曜変や油滴、灰被天目など過去の権威が否定され、井戸茶碗などの高麗製品、そして16世紀末には国産の桃山茶陶の時代へと変遷していく中で、珠光茶碗は松本茶碗とともに、信長の晩年に脚光を浴びた最後の唐物茶碗でした。粗製の雑器的な盌であったとしても400年も遡った器は貴重であり、「冷・凍・寂・枯(ひえ・しみ・さび・からび)」を表現するに相応しい焼物であったと思われます。

ここから、次第に台頭した質素閑寂を旨とする侘び茶に相応しい和物茶碗への変遷が始まります。

 

今回このテーマを企画するにあたり、以前より中国古陶に強い関心をもち研究を重ねてこられた西林さんだからこそできるテーマだと思い、お願いしてみました。窯から出たばかりの作品は新しく生き生きとしています。16世紀にみられた茶盌は、既に400年の時が刻まれたものでした。生まれたての茶盌がやがて味わいを増し、冷凍寂枯を具現するようになるまで、大切に使っていただける、そんな茶盌をご紹介したいと思っています。

是非御高覧いただきたくご案内申し上げます。

 

 

西林 学

 

 

 


 

 

作品紹介 

茶盌 Tea Bowl

 

 
 
盃 

 

   
plus one

 

   

 

 

陶 翫粋(がんすい)  開廊 12:00 - 19:00
定休日:火・水・木 (会期中無休)
602-0074 京都市上京区堀川寺之内上ル下天神町653 エクセル堀川1F

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